全国の美容専門学校の実技試験では、衛生上の取扱試験と基礎的技術試験を審査されます。実技の主な内容はカッティングと、頭髪全体がウェーブ状になるようなセッティングをするオールウェーブセッティングか、パーマネントウェーブの技術であるロッドと呼ばれるプラスチック製の筒状の棒を頭髪に巻きつけるワインディングが主流です。
カッティングの実技試験で受かるコツ
オールウェーブセッティングかワインディングかではどちらか得意な方を選べますが、カッティングは必須なので必ず受かるように練習しておかなければなりません。カッティングは2010年夏まではグラデーションボブでしたが、それ以降はレイヤーカットになりました。
それほど世間でのレイヤーカットの需要が伸びたということで、コームを落としてしまったり、忘れ物や指定してあるところに置き忘れてしまったりという、実技以外のケアレスミスで減点されてしまうので注意が必要です。受かるコツとしてはブロッキングの手順を徹底して覚えて、規定の長さにカットできているか、カットラインやアウトラインのつながりは綺麗かどうか、左右対称に切れているかに気をつけながら時間内に完成させるようにします。
未完成は減点以前に失格になってしまうので、とにかく時間内に完成度の高いカッティングを仕上げることを目標にし、クオリティの高い作品を目指すのがコツです。
オールウェーブセッティングの実技試験で受かるコツ
オールウェーブセッティングでは、7段構成のウェーブのバランスを審査されます。ロッドを巻いていくワインディングと違い、指とコームだけでウェーブをつくり上げていくので、フィンガーウェーブとピンカールとピニングなどが審査の重要ポイントです。
東京や大阪や名古屋をはじめ全国の美容専門学校でも根元からのコーミング、カールを留めるピニングなどを重点的に練習します。受かるコツはただただ練習ですが、試験会場によっては照明が明るすぎる場所もあり、光源が明るすぎてピンに反射するとグレアを感じてしまうので注意が必要です。
ただでさえ手元のマネキンばかり見て実技試験を受けるので、目が疲れやすくなっています。光度と呼ばれる光源から一方向に放射される光の強さに負けてケアレスミスをしないようにしましょう。黒髪に黒いピンを使って作業するという視認性も左右する実技試験なので、技術はもちろん疲労にも気をつけることが受かるコツです。
ワインディングの実技試験で受かるコツ
パーマの始まりは古来のドイツ女性が小枝に髪を巻いてカールのクセを付けさせたのが始まりで、ロッドを使ったワインディングは大正時代から美容師の代表的な基礎技術の一つでした。現在のワインディングの試験は、平成時代にロッドで髪の毛全体を平巻きにするオールパーパス方式からラウンド方式に変わっています。
細い減点基準はあるものの時間内に指定の本数のロッドを巻けることが第一条件のため、手早く作業していくことが合格への道です。よほど不格好でなければキレイさよりは時間内に全本数巻けるかどうかを審査されるので、東京をはじめ全国の美容専門学校でも見た目よりは速さを重視させる傾向にあります。
巻く時にロッドの色と太さに注意しながら、太さに適した場所に巻いていきましょう。ワインディング用ペーパーやロッド、コームやスプレーなどの小物を衛生的に扱うなど、技術以外の面でも細かく点を稼ぐのが、ワインディングの実技試験で合格するコツです。
東京をはじめ全国の美容専門学校では実技試験に受かるように授業をカリキュラムしているので、学校での実技に真面目に取り組んでいればおおかた合格できるはずです。完璧を目指すよりは、時間厳守で実技をこなすことが受かるコツといえます。