美容師に必要なのはカットやパーマの技術と、もちろん国家資格の美容師免許であるはずですが、それ以外にも色彩検定を取得しておくべきだという話も耳にします。必ず必要な資格ではない、これがないと美容師になれないというわけではありませんが、本当に取得したほうがいいのでしょうか?取得するメリットとはなにか、解説します。
色彩検定とは
文部科学省が後援する公的な資格で、第一回の開催は1990年で累計150万人以上がこれまで検定試験を受験しています。受験するのは学生が多いのですが、デザイナーや販売や企画などの職種、そして美容業界で働く人もこの検定を受験しています。
試験の内容は「色」に関する知識や技能を問うもので、1級・2級・3級・UC級というレベルがあり、自分が希望するレベルを選び受験できます。1級はプロフェッショナル向けのレベル、2級は実務への応用を希望する人向け、3級は初めて色について学ぶ人向けのレベルです。そして、UC級は一般社会人で公共の施設や福祉、設計にたずさわる人向けのレベルになります。
初めて受験する人なら難しそうだと思うかもしれませんが、公式テキストをしっかり学べば理解できるので大丈夫、実務経験は不要なので安心してください。どの級から受けてもOKの色彩検定ですが、いつでも好きなときに受けられるわけではないので注意しましょう。2級、3級は夏と冬の2回実施されますが、1級の場合は冬季のみ実施されます。
色彩検定を取得するべき理由
美容師は美容師免許を取得していれば就業できるので、なぜ色彩検定を取得すべきなのか疑問に思うかもしれませんが、美容師と「色」は無関係ではありません。カットやパーマだけでなく、美容師ならヘアカラーやヘアマニキュア、白髪染めなど髪色を変える作業も行います。同じカラーリング剤を使用してもそれぞれの髪質によって発色は異なり、顧客のイメージする色に仕上げるために色彩検定で得られる知識はとても役に立ちます。
また、色彩検定にはレベルがありますが、一般社会人や社会福祉にたずさわる人向けのUC級は美容師には必要ないと思われるかもしれません。しかし、このレベルを受講することで高齢者向けのヘアカラーにも役立ちます。高齢化が進んでいる国内においては、高齢者のヘアカラーを行うことができる美容師のニーズが高くなると予想されますから、可能ならUC級を受講するのがおすすめになります。
色彩検定を取得するメリット
美容師として働くときに役立つといわれても、どれだけのメリットがあるのかが分からないと、色彩検定を取得しようとは思わないかもしれません。それでは、色彩検定を取得するメリットにはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
就職活動でアピールできる
就職・転職を行う際には、どんな企業・お店でもOKという人は多くないでしょう。自分の希望にあった企業やお店の求人がないかを確かめるはずで、もしかしたら自分のキャリアやスキルではちょっと厳しい求人に応募したくなるかもしれません。しかし色彩検定を取得していれば、それをアピールポイントとして利用できます。実際に、美容師で色彩検定を受験する人は増加しており、取得するなら色彩検定とすすめられることも多いようです。
スキルアップが可能
これから美容師を目指すのではなく、現在美容師として働いている人にも色彩検定の取得がおすすめです。カラーリングや白髪染めにも知識を活かすことができ、顧客に対してより多くの提案を行うことで信頼され、指名も増える可能性があります。
また、とくにヘアカラーが得意な人ならカットやパーマを行う一般的な美容室ではなく、カラー専門店で働くという選択もありです。そんなカラーリストを目指すなら、カラーの専門家として認められる色彩検定を取得することで、役に立つだけでなく有利な条件での就職も可能でしょう。
まとめ
美容師は必ず色彩検定の取得するべき、とはいいませんが、取得することでカラーやヘアマニキュアに活かすことができるうえスキルアップにも役立つでしょう。色彩というものはさまざまなシーンで使用されますから、美容師はもちろん美容師以外の職種でも転職先の選択が広がるというメリットもあります。色彩検定は取っておいて損はない資格だといえますから、美容師を目指しているなら色彩検定も検討してみてください。